成瀬映画に登場する風景


『浮雲』(1955年)C NEW2017.8.2

映画のラスト近く、富岡(森雅之)とゆき子(高峰秀子)が、屋久島に向かう途中で立ち寄る鹿児島市。
様々な資料によると、屋久島の屋外シーンは実際には「伊豆」で撮影されたそうだが、
鹿児島では実際にロケーションしているのは間違いない。
下記画面写真(左:鹿児島港と桜島、船からの桜島。いずれも森雅之)

鹿児島市へは過去に2回行ったことがあるのだが、当時は『浮雲』を観ていたわけではないので
ロケ写真撮影などはしなかった。
そこで、今回はグーグルの地図や写真を使用させていただいた。
ただし、ロケ場所はあくまで推測である。


  


鹿児島市の甲突川にかかる「天保山大橋」。道は錦江通り。(下記グーグル地図に付けた赤いライン参照)
映画では東京からの汽車の車中のショットからいきなりの場面転換となる。
普通の演出だと、鹿児島駅あたりを説明的に映すところだが、
2台の人力自転車が橋を渡り、正面に桜島を入れることにより鹿児島だと
観客に自然にわからせるのはいかにも成瀬監督らしい上手さだ。
ロケーションはおそらくこの橋だと思われる。


   


上記の「天保山大橋」を渡って次の橋を左に曲がったあたり。(下記グーグル地図に付けた赤いライン参照)
2台の人力自転車は旅館の前に到着する。

画面写真を基にグーグル地図で探してみた。
・画面を見るとそれほど大きな川ではなく
・近距離に2つの橋があり
・橋の間は微妙にカーブしている
場所としてここではないかと思われる。現在の住所は鹿児島市甲突町。

写真の右のグリーン色の橋は「清滝橋」、左側のベージュ色の橋は「城甲橋」。
川の名前は地図に掲載されていないので不明。
「清滝橋」の左側の木の感じも少し似ているような。
地図で見ると人力自転車が走る道は、現在は公園になっている。

もしこの場所であっていたら、旅館の場所は正面の赤い建物と左の白い建物のあたりか。
画面の背景の山は「桜島」だと思われるが、少し位置が違うので何とも言えない。

 


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